試問
γ線が静止している自由電子に衝突しても光電効果を起こさないことを示せといわれた。光電効果というのは、電子に光子が当たって吸収されて、ビー玉みたいに飛んでいく反応。運動量保存則とエネルギー保存則を両立させようと思うと自由電子では起きず、原子核に運動量を押し付けられる束縛電子でないといけないことが分かるのだが、白板の前で下のように書いた。
勿論、この後にある電子が存在して、が成り立つという議論をしようと思ったのだけど、下の式が恒等式でトリビアルだといわれて、ちょっと揉めた。結局、僕が分かっているということは理解してくれたのだけど、これは、左の+と右の+が無意識のうちにまったく違う意味で使われているところに難点があったのではないだろうか。
つまり、左の一行目は、 という書式でAとBが反応することを示し、二三行目は保存則から反応の前後での物理量の変化を(だからこれらが等しいことはトリビアルではない)示し、そして、右は数値の和として等しいことを示していたつもりであることが内省から分かった。