コリオリ力

「お風呂の水を抜くとき、渦を巻く原因はコリオリ力によるものだろうか」
http://d.hatena.ne.jp/qqqlxl/20051123/p1
http://d.hatena.ne.jp/a-ki_room/20051123/1132760387
http://d.hatena.ne.jp/qqqlxl/20051124/p2
まあ、実は僕は「コリオリ力があまり効かないという評価をした人がいた」という話を実は聞いたことがあったりした。
で、a-ki_roomの「教訓としてフィードバックしておきたいこと。」は納得したし、非常によく分かるのだが、

  • 実験にしてもシミュレーションにしても、確認したいイベントは何か、どのような原因を想定しているかなどは十分に検討してからでないと的外れな実験・シミュレーションになってしまうかもしれない。
  • オーダー評価のための簡易実験。複数の原因が絡んでくるのなら、そこから少数の原因を取り出して来て条件を変えてオーダー評価を行うことは重要に思える。
  • 低温・真空・磁場etc。量子効果を見る場合には系を綺麗にする必要がある。どこまで実験の条件を絞ることができるか。理想的な状況ってそもそも考えることができるのか。
  • 近似として無視をすることの危険性。オーダー評価の重要性の裏返し。実験をする場合にはやはり誤差をきちんと評価することが大事であるということ。

それはそうとして、

幼稚園児・小学生にはどれくらいの方便を使って良いのか。また、小学生用の教材にはどれくらいの理想化がなされているか。

というところにだけ反応しておく。

これに関しては、僕は逆に怪しさがあったらできるだけ、教材にしないべきだと思うのですよ。
たとえば、真空中にある黒と白に塗られた軽い風車に光を当てると回りだす、というのもが光子の運動量の説明に使われていたらしいけれども、きちんと評価してやると温度による残留気体の熱膨張で回っているという話を聞いたことがある。
他には、http://d.hatena.ne.jp/nuc/20050601/p4

真空中では音が聞こえないと云う。それは正しいのだが、次のような実験を考えよう。フラスコの中に鈴と水を入れて沸騰させ適切なところで栓をする。すると中の気圧が下がる。このときに鈴を鳴らしても音が聞こえない。という結果が予想される。しかし、気圧は精々一桁落ちている程度だろう。とすると速度差による全反射が原因では。
といわれた。なるほどと感心した。

というこれも、確認はしていないが中にマイクをいれて実際に聞こえていたら、鳴っていたとして話を進めよう。
これらは、一般的に考えられている科学(の生み出した)知識に沿っているようにみえても、科学の物事に対する考え方には反している。教育として使うならば、むしろ、科学的な教育を受けていても科学的に間違うこと、「科学とはつねによりよい理解に向かう動的な営み」でありここで思い込みが排除されたこと、あるいは一つの実験がサポートしたからといって終わりにしてはいけないこと、科学的なフレーバーであることは何も意味しないことを伝えること、などの分かりやすい例として取り上げるべきではないだろうかね。

これは科学の生み出した知識を教えることよりも重要ではないだろうか。