ひらめきなどない

最近、東大の数学の入試問題で過去一番難しかったといわれる問題「東大98後期3」を電話越しに教えてもらった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1313422278

ブルーバックスの「入試数学伝説の良問100」のP.291のコラムに
「入試史上最難問」として紹介されています。

大学受験史上第1位にランクされる超難問である。
難しいのは(2)で、実験すると予想できるが、完璧に論証するのは並大抵ではない。
問題入手のとき、A予備校では解答作成を中断、帰宅することになったと聞かされた。
最悪、翌日も解けないときはどうするかも話し合ったらしい。
翌朝B予備校関係者から電話があり、予備校の回答を出さなければならないから
至急解いてくれという。そこでフランスに長期滞在中の友人C(大学助教授)と
メールで連絡を取り、概要を説明し、解くことにした。何度かのやり取りの後、
回答を作り上げたのは翌朝のことである。
試験では完全解は無理でも十分性などの部分点はとれるだろう。その意味では
良問といえるかもしれない。なお、A予備校の解答はCの友人のD教授が書いた
ものを参考にしたらしい。

だが、電話で別のことを話しながら方針が立ち、私には極めて素直にどこも引っかかるところはなく難なく解けてしまった。
解けた後に真剣にどこが難しいのかを考え込んだほどだ。

問題本文は河合塾を参照してもらうとして
http://hiw.oo.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/98/problem.cgi/t2/math?page=2
簡単にまとめると

枝分かれのない連結なグラフ G=(V={P_1...},W={E_1...}) とグラフの各点から色{白、黒} への写像 f の組に対して、二つの変形規則

  • ある点の色を反転させて、そこに白い点のつながった辺を加える
  • ある辺を選んで両端の色を反転させ、その辺を白い点が中央にある二つの辺と置き換える

が許されているとして、白色一点だけから到達可能な白色だけからなる直線グラフをすべてあげよ。

というものだ。


私の略解を、予備校の回答が誤っていることもあり最後にしたためておく。
そして、おそらくこの解に容易に至れた理由は次の問題(MIU ゲーム)を解いたことがあるゆえである。


ある数学科の人も国際数学オリンピックの問題に以下のようなことを述べていた。

いつの間にやら数オリの問題も8割近くはトリッキーな事は不要で
スタンダードな作業で解ける問題に思えるようになってしまった…。
別に最近特にそういう問題が増えたとかいうわけじゃないんだろうなぁ。
まぁそういうのをキチンとこなす能力を問うコンテストと思えばOK。

もしかしたら、人が解けるように作られる問題のパターンなど
本当に限られているのではないだろうか。