辺を欠いた三角

そういえば、小学校の高学年の時に私が N ちゃんと幼馴染だという理由で(と私はいくつかの状況証拠から解釈しているが)徹底的に嫌がらせを受けたこともあった。
おそらく誰も気がついていないが、表面上仲良くしながら水面下で戦争をするのはなかなか大変なものでした。いやそんなこといわれたってねえ。


古い文章がでてきた。

"〜〜"。ひさしぶりに懐かしい名前を思い出す。腕白な影のある少年。仲が良かったか、と聞かれると彼の家に遊びに行ったこともあるくらいよく遊んでいたし、嫌いではなかった、と答えたい。
N ちゃんに恋していたことからはじまるのか、或いは無関係なのか、少なくとも逆の因果関係でないことははっきりしているが、僕に対する憧れと妬みとを強く持っていた。表向きは仲良くしていたが、裏では私を散々に叩いていた。いや、この表現は不適切だ。クラスの人には私と仲がよいことをアピールして私の光を発しているかのように行動し、真似をし、或いは、私のよきライバルであるかのように振る舞い、そして、私にできるだけ心的ダメージを与えるようにしていた。あ、それに物的ダメージも少々。今、25:30。彼の嘘と仕打ちとを侮蔑を含んだ軽い笑いと、そして柔らかな怒りとともに思い出している。でも、彼を嫌いにはなれなかったな。彼は心の奥では孤独で弱くて、僕は撥ね退けられなかった。

でも、こうやって人は戦う方法を覚えていくのだよ。