ここの生い立ち

このブログをつけ始めたわけについて一度話しておく。

その前に、ここでの僕の匿名性に関する考え方は次の通り。
実名で書いているのと変わらないつもりである。また、実は多少の知識と技術があれば、このサイトから容易に学籍番号が分かる。そこから本名が出てくる。ただ、初対面で名前を告げただけで、検索サイトでここが見つかるのは嫌なので文字列として、ここに本名を書きたくない。たとえば幼馴染が何とはなしに、「〜〜ちゃん、何してるかな〜」と検索して<以下略>、というのはね。ので配慮していただけると助かります。

もともと日記は local につけていた。それが大学一年の冬に始まった理由はなかなかに陰鬱なもので、この言葉から始まる。

さいごにあるが、はじめに。

日記をつけようか。何でいまさら日記をつけようかと思ったのだろうか。だいぶ前に、多くの友人達がつけていることをひきあいにし、また、僕の文章を読みたいと言って、日記をつけるように勧めた友がいたこともある。その影響があるのも事実だが、もっと大きな理由がある。

私は正直今通っている東京大学が嫌いだ。

勿論、自分の希望で入試を受けて、そうして、自分の意思で大学に入ったことになっているが、実際、私は微塵もそうは思っていない。

なんといえばいいだろうか。つまり、今の僕の状況を例えると、バスに乗って降車ボタンを一度も押さなかったばかりに終点についてしまった。しかも、この終点はバスの車庫で面白いものはない上、終バスだった。そんな感じだ、ということを示したかったのだ。

もしかしたら、教養学部を抜けて、三四年になれば大学も面白くなるのかな、と思う。まだどこの学部へ行きたいかは決めていないけど。しかし、とりあえず、「未来の幸福のために、現在を犠牲にする」という状況に身をおくのは、この一年が多分生まれて初めてだった。そして、これからもしばらくこの状況が続くだろう。

日記を書くことで自分自身の生活を振り返って、大学がつまらないのは、どこに問題があったかを多少は見つけられるかと甘い期待をしている。なんとなく、自分が大した人間でないことあたりに理由が集約されている気もするが。

あの時期に会った人たちには迷惑かけました。梅雨入る前にはまた色々あって復活してた。
こんなものを掘り出した。http://www.rumandmonkey.com/widgets/toys/namegen/969/ まあ、これはどうでもよい。

さて、2年の2月ごろTOMO*1の日記にリンクのあったid:fer-mat氏の blog を拝見して、優秀な方だなと思った。
ただ一箇所、非常に不思議なところがあったので
私は、

相加平均:ノルムの入れ方によりませんか。

という軽い質問をした。少なくともそのつもりであった。「距離の入れ方が一意に、しかも任意の空間に対して、定まる」というようにみえたから。ところが、ピンボケした答えが返ってきて、どれほど真っ当に議論してみせても、軽く茶化してみても、まずい議論だということを認識してもらえなかった。

折れ線グラフになるのが正確ということですか。たしかに母集団が有限ならば厳密には折れ線グラフになります。しかしnが十分大きいと二次関数で近似されます。社会科学での数学利用は近似でよいので問題ないと思います。

何かが噛み合わない。しばらくやりとりして3/31。それがこの blog を書き始めたときであった。
タイトルは「元極左偏向者の日記抄 〜個人的なことを取り除くと〜」とした。her/him を意識しているのが分かるだろう。
一番初めに公開目的に書いたのはこれ。

三人組が蕎麦屋へ行った。二人はざるそばを頼み、一人はもりそばを頼んだ。もりそばを頼んだ人が中座した時に、残りの片方が言った、「ざるそばを頼むほど金がないんだな。」。あることへの、たとえ話ね。

何か腑に落ちないものがあるも、幅広い数学の知識もおありのようだし何か考えがあるのだろうな、と自分を納得させようとしていたその矢先、最後の私への言葉がこれである。いや、これが私に向けられているかは知らない。しかし、少なくとも私はこれを読んで、それが私に向けられていると解釈した。
http://d.hatena.ne.jp/fer-mat/20050413#p18

例えば職業数学者で考える。この方々は数学が最後の砦だから、素人が数学論議をしていると大人気もなく突っ込んでくる。素人が素人的知識で数学をやっているにもかかわらず、専門レベルの議論をふっかけてくるわけである。これは偏に最後の砦が害されたことに対する感情論に基づくものであって、さしたる高尚な理由はない。数学関係者は著書などでは、文系や素人の方々も是非数学をやっていただきたい旨を主張しているにもかかわらず、素人が数学をやっているのを見る段になると、素人のくせに、と思うらしく、甚だ大人気ない行動に出るのである。筆者もこの頃素人として数学に熱を上げているが、先般、ブログでこのような大人気ない行動をとる人に遭遇した。しかし、そもそも文系の人間には二次方程式の解の公式も忘れてしまった人が多い。そのような中で、ζ関数や微分方程式論や微分幾何論に興味を示す筆者のような文系は、極めて貴重な存在だと思っていただかねばならない。

私にとってこれは非常に強烈だった。(自然に限らない)科学を学ぶ上での最低限度の態度ができていないことを示している。
いつだったか、とある先生が上の文を批判したときに fer-mat氏はたしかこう述べたと思う。当事者でないのに口を出すなと。ならば唯一認められた私が口を開こう。あれは不可をつけざるを得ない。学問を学ぶものならば。

もっとも、id:sheltering-skyさんとのやり取り
http://d.hatena.ne.jp/./sheltering-sky/20050612
http://d.hatena.ne.jp/./sheltering-sky/20050613
http://d.hatena.ne.jp/./sheltering-sky/20050614
を見て、多少は考えを変えましたがね。

ここのコメント欄にも書きましたが。*2あ、ちなみにざるそばは学歴を指しております。

私がfer-mat氏、あなたににこだわっているのは、学問の正道に戻って欲しいからですよ。



それで、田崎さん。いや、田崎先生にしましょうか。
ここは上のような成り立ち上、知識の深浅があっても社会的身分が異なっていても、ここに関わるならそれをそぎ落として「議論が成立する関係」を要求します。
「誘導してくれるとありがたかった」のは、文殊の知恵効果(顔)を狙いたかったからですが、私が不快感を表明しているのはこの要求が turn down されたからではなくて、この場での関係成立の必要条件に抵触しそうに見えるからです。

「学生は科学的な内容が信頼できない」とでも言えば唖然とするのは当然です。本当のところを言うと、私が想定した回答は例えば public さが異なるから、つまり「大学のサーバーで行なっている、たとえるならば RFC *3並みの場」と「無料のスペースを借りて日々思ったことを適当に垂れ流している場」の違いがあるであり、それならば納得します。

そして、無意味なトラブル云々のくだりは、科学の知識の未熟さを根拠にするよりももっと悪い。まず、同じ大学で講師をしている方とそこの学生だというだけで、田崎先生に教え子扱いされる気は毛頭ない。私が所属をメールに書くまでは気がつかれなかったではないですか。

大体失礼じゃありませんか? 日本国で法的責任と義務がある成人に対して、学生の一種ゆえ無意味なトラブルから保護すべく配慮なさるのですね。*4

以上、literalにとったらこうです。


私は、田崎さんがどうお考えになったかは、実は、まったく理解できているつもりでいません。いえ、初めは分かったつもりでしたが。
「学生」と「無用なトラブルを避けるため」の二箇所が私がこれだけ反発している箇所ですよ。科学的に未熟だと指摘されても大人気ないなと思うだけで事実だから何も言いませんよ。不勉強を恥じても不愉快ではないから。
誘導した、しなかったはもう既にどうでもいいのですよ。いま問題にしているのは、田崎さんがこの場に対する見解に「学生の」を含めたことですよ。それと、無意味なトラブルから保護したいから。

職業物理学者で考えるよ。この方々は物理学が最後の砦だから、素人が物理学論議をしていると大人気もなく突っ込んでくるよ。素人が素人的知識で物理学をやっているにもかかわらず、専門レベルの議論をふっかけてくるわけであるから。

私はこのようなせりふを吐きたくない。

*1:http://rx78.jugem.jp/ 高校の後輩。Akiの双子の弟。

*2:トラックバックを当時そこに打ったのでよろしければそこも見てくださいな。

*3:もともとは、RFC : request for comments は、"仕様書"と銘打つと研究成果として無料で公開できなくなるゆえに、この名が付いたそうです。ただ下手にでているわけではではないんですね。

*4:ここで哺乳類天然記念物という表現を使おうとしたら、それ冗談かどうか分からんといわれた。和ませる冗談のつもりだったのだが(顔。