プログラミングをしないコンピュータ先進国

「情報処理 9 2001 (情報処理学会刊) 通巻439号」に「プログラミングをしないコンピュータ先進国(宍戸周夫)」という記事があった。

■コンテストでは後進国
世界最大のコンピューティング協会といわれるACM(<略>)は、毎年、国際大学対抗プログラミング・コンテストを行っている。<略>

■日本にも優秀な高校生が<略>
JSPP(<略>)では、並列処理技術の普及と促進を目的に、1994年から並列プログラミング・コンテスト(Parallel Software Contest)を開催している。<略>
参加資格は学生に限らないとなっているが、中心はどうしても大学生および大学院生になる。<略>
実は、これとは別に、東京工業大学の学術国際情報センターが「Supercomputer Programming Contest for High-school Student = SuperCon」というイベントを1995年から行っている。<略>
今年のSuperCon 2001では、JSPPの問題を参考にした次のような本選課題が与えられた。<略>
優勝した筑波大学付属駒場高等学校のチームからは、結果としてJSPPの優勝作品に比べて100倍も速い並列化プログラムが提出されたという。
同コンテストを主催してきた同大学の松田裕幸助教授は「参加した高校生は、大学に来て初めて並列化の手法を半日程度習い、残り3日間で、高速化と並列化をしている。さらに、JSPPのコンテストでは並列化もできなかったが、SuperCon 2001ではこの逐次版の100倍くらい速いプログラムが完成した。高校生のレベルは結構高いものがある」と評価している。
■プログラムでは食っていけない
日本にも、確かに若い優秀なプログラマーがいるということである。しかし、この優秀な高校生たちは、将来プログラムで生計を立てようとは考えていないようだ。今回の優勝チームの高校生達も、「プログラミングはもうやらない」といっている。<略>
日本には、ACMで上位を占めるような国々とは異なる事情がある。いまさら英才教育を施して、将来の国家を支えるプログラマーを育てるという社会的コンセンサスはない。産業の基盤が整備されていない発展途上国にとっては、優秀な頭脳だけで高い収入が得られるプログラマーは魅力だろうが、日本では事情が違う。森前首相がIT立国を掲げてはみたが、それは高速ネットワーク網の整備など、公共事業的な環境整備に力点が置かれている。<略>
■たかがプログラミング、されど…<略>
そして、このコンピュータ先進国のアメリカも、反対にいまコンピュータ立国を掲げて頑張っている中国なども、コンテストで優秀な成績を収めた人はそのままコンピュータ・サイエンスや産業の中で確固たる地位を収めることができる仕組みを持っている。
日本には、残念ながらその仕組みがない。さらに悪いことに、プログラミングの能力を広く社会に広めようという考えもない。あるのはコンピュータ先進国であるという自意識だけだ。
たかが学生のプログラミング・コンテストとみる人がいるかもしれないが、その中には国家の将来を左右する重要なテーマが隠されている。

筑波大学付属駒場の字が違う。附属である。
「しばしば校名から茨城県の学校と勘違いされることもある。」
まあいいさ。某新聞社も気象予報士の最年少記録の時に、筑駒と筑附を間違えていたし。


そんなことはどうでもよい。東大にしても筑駒にしても、コンテストで優秀な成績を収めた人も多い。
私も参加したある大会に関しては、悪い興味を持っている人が多いらしく。某掲示板に進学先を曝されていて嫌な気になったことがある。(しかし、僕でも行方不明者扱いの人がいるのによく調べたものである。)

これだけいわせれ。あんなものは遊びなのだ。どんなにくだらない論文の一本であれ、コンテストの勝利よりも価値がある。