返事と補足

以下のサイトにコメントをつけたところ
http://d.hatena.ne.jp/sheltering-sky/20050618/p4
に返事を頂いた。

冒頭に但し書きをつけたのは、おっしゃるとおり

理系の人の書いているものを読むと、現実離れしているような気がすることが多々ある。

に反応したからです。例えば光電子増倍管霊感商法やろうを真面目に捉えられていたらどうしようかとちらりと思いました。

社会科学での数学使用自体は誤りではないと思います。むしろ、推奨したい。しかし、比喩としてしか使えないならば、それは弊害にしかならない。「全体を考えてみる」「抽象化してみる」といった考え方自体こそが活かされないならば、鴨浩靖さんのいう悪性オタク http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/a0046.html#a19990719135458 になりますよね。
数学は自明なことしかいわないけれども、複雑に見えるものの構造が解析できるので正確に使えれば力を発揮するはずです。

子供の6人に5人が女性であればその国の人口を保てることを示している(顔。

これは勿論ふざけてますが、これはあたりまえだけども重要なことを述べているつもりです。出生率という概念で知りたいのは、どれくらい「少子化」であるか、もっといえば、どれくらいの速度で人口が減るかです。
この数値は、調査結果から直接割り出されるデータではなくて、いくつかの処理がほどこされた結果です。にも関わらず、これがどうして重要視されるのでしょうか。
いくつもの仮定が設けられています。「乳幼児死亡率がかなり低い。」「生まれる男女比は半々」等々。
下のような影響もあります。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai03/sankou-s.html

つまり、「どれくらいの速度で人口が減るか」を示したい時に、最も着目される数字が、中途半端にしか処理がなされていないデータなのです。データを処理すればするほど仮定が増えますから、補助として他の数値を持ち込むのは当然です。しかし、「最も着目される数字」は、この場合ならば夭折や結婚しない人なども考えて無変動ならば 1 な形にするべきでしょう。
中途半端に 2.08 ならば人口が減らないと主張するのは、ひとつには未処理であるように見せることで、意図的に捻じ曲げられていないことを主張しているのではないでしょうか。

デバッガーとデバッギー。

debugger and debuggee は employer and employee と同じでデバッグするものとデバッグされるものです。あまり使われない表現かもしれません。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028184/OllyDbgQA.htm くらいにしかないですね。

不思議だとは思いませんか。思ったよりもこの世の中は滑らかです。
不思議だとは思いませんか。明日になったら、いままで成立していた物理法則が根底から覆るかもしれないんですよ。
不思議だとは思いませんか。この世の中は同じことをすれば同じことが起きるようにできている。
一度目は悲劇として、二度目は茶番として。

頭三行は特に引用はありません。実験レポート書いた感想です。
人は直線上にあるか否かを判断する能力に優れているので、そうなるようにグラフを書きますが、予想通り、直線にのるとやはり驚くものです。

以前も書いていたハムレットのオフィリアの話題を今日は掘り下げて書いていて面白かったですね。ただ、付け加えるならばそのくだりの最後3行で道化(墓堀人夫)たちがそれを「法律」の問題に集約していることは故意にスルーしたのでしょうか。理系と文系の違いが端的に現れているところですね。

「法律」或いは、法律である前にもっと広く、「人には因果関係を見出す能力がある」という問題あると思いますが、そこはスルーしました。ここを掘り下げるとシリアスになりそうなので。
(これとかどうでしょう。熊が因果関係を見出してませんか。http://home.att.ne.jp/red/sronin/_koten/kumaino.htm)

The Universe in a Nutshell が Hamlet を踏まえているのは気がつきませんでした。聞くところによると縮訳だけでなく「翻訳を読んだは、読んだに入らない」という方もいるそうですが、そうかもしれないと思ってしまいました。