ハムレット解説

あの絵は、オフィーリアのそこはかとない明るさが好きです。
http://d.hatena.ne.jp/nuc/20050609/p4
ハムレットの粗筋。

先代ハムレット王(父)が死に、クローディアス(叔父)はガードルード(母)と結婚し、王となった。ハムレット王子(カッコ内はハムレットからの関係)は父の亡霊と会う。実は父は叔父に毒殺されたのだと亡霊は告げる。「信じるべきか信じないべきか」復讐のために彼は陽狂する。さて、大臣の娘であるオフィーリア(恋人)に向かって罵詈雑言を投げつけたら、オフィーリア気が狂った。オフィーリアは川へどぼん。死んだ。

後は無関係なので省略。

さて、引用はオフィーリアが埋葬される場面です。二人の道化が話をしています。
キリスト教では自殺は大罪なのでキリスト教式の埋葬ができないはずだがオフィーリアはしてもらっている。なぜか。
http://www-tech.mit.edu/Shakespeare/hamlet/hamlet.5.1.html
古英語なのできちんと読めませんが、大体以下のようなことのはずです。

水があって、人がいるとする。人が水に向かって行って溺れたらこれは自殺だ。だが、水が来て人を溺れさせたら、彼は自溺ではない。よって、彼は自らの死に責任がなく、自ら命を絶ったわけではない。

これは、誰がどう読んでも等価原理を指しているでしょう。つまり、一般相対論では、ある系で見て加速度運動している物体でも、別の系では静止している物体である、と考えることができる。そしてそのような系でも全く同じ物理法則が成立する。
つまり、「オフィーリアが死んだ」という事実はどの座標系からも変わらない。しかし、水の座標系から見れば、オフィーリアが飛び込んできて溺れたのであるし、オフィーリアから見れば、水が下から被さってきて溺れたのである。
これが事実はどのような座標系によって変化しないが、因果関係はどのような座標系からみるかによって変化することを示している。
相対性理論では時間的領域と空間的領域は厳密に分けられていて、因果律に問題は生じないとされているがこれが反例であることは皆さん分かっていただけたと思う。


同じようなことを書いていた人がいるといわれて探してみたが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E7%A5%9E%E6%9B%B2
これがあたった。そういえばそんなのありましたね。山川訳は読みにくかった。
この記事を英訳して Nature に載せてもらおう。