平行宇宙での物理学

中途半端に SF のような記述で、脇が甘いことをはじめに謝罪しておこう。結局、私は世界の見え方に興味があるようだから。

多くの地球があったときにそれらの地球のいくつかには人類がおり、それぞれの物理を発達させていると思うが、さて、そのうちのどれくらいの人類が我々と同じ物理を持っているだろうか。

物理学の発展は必然か、といいかえてもいいだろう。

もう少し、余計な解説を加えておこう。

数学的に等価なものは同値とみなして、あらゆる宇宙の理論を見比べれば、予言の精度、原理の単純さ、適用の範囲、によってそれなりに自然な順序が入れられるだろう。
このときに、どの地球でも似たように物理法則が発見されていくのか、それとも、ある理論が先に発見されたことによって別の理論が発見されない、というようなことがおきうるのか。

こういう切り出しでもよかった。

この宇宙が生まれてから(もしも滅亡するならば滅亡するまで)、宇宙には数多の知的生命体がいるであろう。その知的生命体のもつ物理は、そもそも物理学を持たない文明を知的と呼べるであろうか、(これは危ない表現だと思って消したのだけれども、周囲の環境を制御できるというのは知的生命体の条件であり、それができるためには物理がいるというのはあながち間違いではないだろう)同じような発展を遂げるのであろうか。

しかし、どのようなスケールで生きている生命体かによって大きく物理の発達順序は変わりそうだし、あるいはフナムシやコウモリの世界観は人と大きく違うかもしれない。そういった影響を排除したかった。

私は量子論ですら異なると思う。ある宇宙では「前量子論的な理論」の次に「後量子論的な理論」がきて、彼らと会話をすると、量子論という中途半端なものを思いついたことに驚かれるのではないかとね。
誤解を呼びそうな表現だけれども、作られたものは普遍でも、作られる過程自身には、ある種の人為的さ、あるいは普遍性の欠如というものをおそらく感じているのだろうな。