実験

超弦理論が信用できないのは、実験とのすりあわせが十分でないように見えるから。
数学としてよくても物理とは思えない。


やっぱり、場の量子論ですら、不十分ではないだろうか。
ペンローズは物理理論を最高、有用、暫定にわけていた。その意味では、場の量子論は、まだ有用の段階にあると思う。*1

じゃあ、たとえば、二重スリットの実験は何種類の粒子によって確認されているだろうか。
1961年に複数の電子で行われたらしい。1988年に中性子で行われている論文があった。じゃあ、それまで量子論は確証されていなかったのか、というとそんなことはなくてその他の多くの予言を外していないことから外挿するわけだ。もちろん、この外挿は"正しい"と思うが「世界が美しいという妄想」が影響しているのではないかな。

PRL 98 103201 に"Coherent Slowing of a Supersonic Beam with an Atomic Paddle" という論文が載っていて面白かった。
回転する板に分子をぶつけたら遅くなる、という気体分子運動論を実際に実験したもので、これが2007年の3月にようやく出ている。さらに PRL Editors' Suggestions にもなっている。このことからも分かるように、この実験は技術的な難易度が高く、結論も物理の根源に迫るものとみなされたのだろう。
しかし、逆にいうと、現在の実験レベルというのはこの程度の事実を認定するのも困難なのだ。

ミューオンで二重スリットの実験をしたら42(クリックでグーグル電卓機能)とアラビア数字でスクリーンに表示されるとか楽しくね?

*1:教養学部の久我先生が物理学温故知新といっている