多世界解釈

電話でエヴェレット解釈を信仰する人と75分ほど議論した。でも、やはり今度会ってやるべきだな。

エヴェレット解釈の魅力としては、観測というすっきりしないものが不連続でなくて連続的に扱えるところで、理想的でないノイマン型の観測もすっきりいく。
ただ、それは結果的にコペンハーゲン解釈に修正を加えることを要求しただけで、ユニタリーな演算子であらわされているところが、連続的で多少奇妙な確率的にどう分岐していくかとみなせば、そう問題はないことになるかと。

結局、エヴェレット解釈は観測が一定理に落ちているのがオッカムという意味でやはり売りになるのだけれども、ただ僕はここ数日考えてやはりコペンハーゲンを基本解釈にすべきだという結論に落ち着いた。
コペンハーゲン解釈から見るとエヴェレットも一つの定理であり、観測系の範囲を任意に取って構わないということになるだろう。たとえば、単振動する振り子を考えると、ニュートンの描像と相空間上の楕円は異なるが同じ物理系をあらわしている。しかし、前者のほうが余計な情報を持たない分優れていると感じる。それは埋め込み可能性という意味で。
たとえば、自然数\mathbb{N}を考えると、体と完備性に着目すれば\Large \mathbb{N} \subset \mathbb{R}という埋め込み方があるように、順序数としての性質に着目すれば\Large \mathbb{N} \subset \omega^\omegaという埋め込み方もある。じゃあ、コペンハーゲンにしておくとどのような埋め込み方が存在するのかといわれるとそれは答えられないのだけれども、時間反転の関係でそのような状況ができるような気がする。つまり、今まではある純粋状態であったときに将来どういう状態になるかを考えてきたが、逆に、ある純粋状態と分かったときに、そのt秒前にどういう状態かを論じるとか。

たしかにエヴェレットの描像は非常に扱いやすい。だから、標準解釈としてコペンハーゲンを取っておいて、毎回埋め込むという作業を暗黙のうちにすればよいと思う。


やっぱり、二重スリットがものすごく本質的。そして CHSH不等式。