無限退行

地球温暖化問題懐疑論へのコメント
http://www.cir.tohoku.ac.jp/omura-p/omuraCDM/asuka/onndannka%20kaigiha%20hanronn%EF%BC%92.pdf
via http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20080704/p1

前述のように、過去の気候変動で二酸化炭素やメタンを増加させていたトリガーは、気温であってもよく、これも含めて、現在の科学は以下の3つを同時に認めている。
1)気温が原因で二酸化炭素濃度が変わる
2)二酸化炭素濃度が原因で気温が変わる
3)近年の100年スケールの気温上昇は、2)がトリガーである

いや、恥ずかしながらこれが矛盾するような気がしてたんですよ。
単純にモデル化しよう。
現在が平衡に達しているとして、それに対して
\left(\large\begin{array}x_0\\x_1\\\vdots\end{array}\right)
とおく。ただし、現在の値を0となるように正規化しよう。t を時間として
\frac{d}{dt}\left(\large\begin{array}x_0\\x_1\\\vdots\end{array}\right)-\nabla U\left(\large\begin{array}x_0\\x_1\\\vdots\end{array}\right) + \left(\large\begin{array}p_0\\p_1\\\vdots\end{array}\right)という形だと仮定する。
人為的に摂動を加えることは、右辺\left(\large\begin{array}p_0\\p_1\\\vdots\end{array}\right)の部分に何らかの項を加えて平衡点が移動することに対応する。
ここからは平衡点でのみ考える。
このときにU\left(\large\begin{array}x_0\\x_1\\\vdots\end{array}\right)=a(x_0+x_1)^2+b(x_0-x_1)^2とでもしておけば 0 < a < b が成立しているとき
p_0を有限の値に変えて(おお、物理学者的有限の使い方!!)やると p_0 = 2a(x_0+x_1) + 2b(x_0-x_1) p_1 = 2a(x_0+x_1) - 2b(x_0-x_1)となるからx_0=(\frac{1}{4a}+\frac{1}{4b})p_0かつx_1=(\frac{1}{4a}-\frac{1}{4b})p_0だから a のほうが小さい条件下では成立する。

もちろん、このモデル化は相当適当だ。実際には平衡であるとは思えない。けれども、可能性があること程度は分かるだろう。
なんでこの程度のことが直感に反したんだろう。


平衡点まわりだというのに、気温があがると二酸化炭素濃度があがり、二酸化炭素濃度があがると気温があがる。つまり無限退行に陥る。したがってそんなことはない!!
みたいなね。


思うに、零回微分と一回微分と二回微分との区別が難しいからではないだろうか。