語彙力

とまあ
http://d.hatena.ne.jp/sheltering-sky/20051031/p1
を読んでちょっとピントがずれている気がしました。
この錯誤は http://d.hatena.ne.jp/nuc/20050714/p2 のあたりで書いたような気がしないでもないけれども。
このテストは研究の副産物で、まあ手っ取り早く人に見せられる形になるのがこういったものであるのは仕方ないと思います。それは企業人ともなれば成果を出せなければ追い出されるでしょうから。

ほとんどが知らなくてもどうでもよい、いやむしろ若い世代の人にとっては「知らない方が良い」と思える語彙ばかりである。

を正しいと認めるならば、

こうしたテストで知的能力を測定しようとする発想に対して異様な嫌悪感を覚える。

ではなくて、嫌悪感を覚えるべき対象は「語彙力が高ければ知的能力が高い」とみなす考え方のはずです。或いは語彙力を肯定的な何らかの指標へのラベルにしたいならば、語彙力の定義を辞書の何割の語を知っているか、から動かさなくてはいけないでしょう。この定義がなされていなければ、そもそもどうこう言えるものでもないですし。
ある人が辞書の何割を知っているかを推計する方法として"従来よりも"優れている、という主張はそう間違っていないと思われます。
しかし、なあ。どうせこういうものを作るならば、巨大なデータベースから語の相関を調べて、できるだけ相関の低い語を代表点として選ぶくらいのことはしてみせたまえ。といいたい。