非可測

選択公理を認めないと非可測集合が存在しないとしても矛盾がないんですか、ということを聞かれた。
ZFに加えて選択公理を仮定すると非可測集合が作れる、というのは、区間[0,1)を差が有理数であるようなものを同一とみなすような同値類で割って、選択公理でそこから元をひとつずつ取り出すと、これは非可算だけれども有限個集めても[0,1)を覆えない。

ここで唐突にエヴァ永久機関S^2機関はバナッハ・タルスキーの逆理を使っているという記憶があったが、公式設定にはないようで、どうやらmystery of S2-system/organ が僕の記憶の元らしい。永久機関なんて物理法則に矛盾するに決まっているのだからバナッハ・タルスキーにするのはセンスいいなあと思ってたのだが違ったのかな。

それでだ。話を戻すと、決定性公理(AD)というものがあって、ZF+ADでは\mathbb{R}の中のすべての集合が可測になることが示せる。もちろん ZF+AD+AC は矛盾する。つまり ZF では可測集合しか存在しないとしてもよいのだ。


これは\mathbb{R}というものの中にさっきまであった非可測集合が AC を取り除いた瞬間になくなったような気がする。

つまり、数学の集合というものがもっと確固たるもののように感じていたけれどもそうでもないことに驚いたのだそうだ。その感覚は僕も分かります。不思議な気がしました。