サッカリン

サッカリンに関しては
http://hw001.gate01.com/uneyama/sacch.html
(国立医薬品食品衛生研究所の方の個人ページ)
が非常によい情報でしょう。

サッカリンは「25年間と36匹のサル」を代償にして安全性が確認されました。
おめでとう!

そして、英霊達に感謝。


化学物質からの害を 0 にしたいというのは当然の欲求かもしれません。そのために大量のサッカリンを毎日毎日サルに投与してその結果が調べられました。けれども、そのような大量の投与に意味があるのでしょうか。
たとえば放射線を浴びる量は一定以下ならば害がまったくなくて、ある閾値を超えたところから害をもたらすようになります。だったら、大量のサッカリンで害がでたとしても、少量ならば問題がないかもしれませんよね。

たとえば、牛乳の飲みすぎは、カルシウム過剰症を引き起こし、尿結石・他ミネラル吸収抑制などがおきます。勿論、牛乳で過剰症の域に達するのは(一日2lだったかな)至難の業です。でも、最近はミネラルサプリメントで簡単に摂取しすぎになれます。健康にいいと思って、規定量を超えて飲んだらいけませんね。上の実験を牛乳に対してやれば"おそらく"害がでた、ということになるでしょう。

それに、だいたい、天然の物質には毒物が非常に多いのです。環境ホルモンで女性化ということは最近騒がれましたね。ところで、シロツメクサには羊の女性ホルモンに似た物質が含まれていて、生殖機能に影響を与えるといわれています。シロツメクサの野原から羊が消えればシロツメクサもさぞかし幸せでしょうから。
大豆のイソフラボン更年期障害によいともてはやされましたね。あれもようするに女性ホルモンに似た物質なのです。別に、大豆を食うなといっているわけではありません。でも、イソフラボンが健康によいというだけの単純な世界観からは脱却できますね。
どちらにしても、アルコールとタバコとに比べたら少なくともたいした毒ではないでしょう。

天然の毒を避けるには、熱帯雨林のサルの戦略、できるだけ多くの種類のものを食べる、をとるしかないと思いますよ。

食物だけではありませんよ。出かけるとき、電化製品を買うとき、それらがどれくらい自分にリスクと利益を負わせるか、本当にきちんと評価していますか。


ついでですので同じ人のページから引用しておきます。
http://hw001.gate01.com/uneyama/katte.html

買ってはいけない」オウム説はある意味では的を射た表現で、オウムの信者たちは自分たちが国家や警察に毒ガス攻撃を受けているといい続けていました。それと同じく、「買ってはいけない」は「我々は敵から毒を盛られている」という主張をするわけです。この場合の「敵」は「大企業」であり「資本主義」であり「国」であるようです。普通の感覚なら、ごく当たり前に生活している平凡な人間が毒ガス攻撃を受けるなどという妄想にとりつかれるのは病気としか言いようがないでしょう。いくつかの間違いがあったとしても、基本的には認可されている食品添加物は安全と見なされているから認可されているのだし(「毒なのに売ってる」のはタバコとアルコールでしょう)、それを全く信じるな、というのは「他者への絶対的不信」とでも言うべき態度でしょう。ごく普通に何の特別な配慮も無しにいても生きていられることは決して「当たり前」ではないし、今自分達が何不自由なく暮らしていられるのはたくさんの人たちの努力のおかげでしょう。そういう基本的な感謝を全く感じることもなく、不平不満ばかりを数えたてるという態度。

ヒステリックに危ない危ないと叫ぶ人たちがいるから、サルたちは英霊になったのじゃないのかな。頭数はともかく、すくなくとも、その量の投与は必要なかったかもしれませんよ。


無知は動物を殺します。恐怖は人を殺します。
我々は日食のたびに生きた人間の心臓を捧げたアステカから何も変わってはいない。