エネルギー

アトランタで借りていた家は平屋であったが日本からするととても広い家だった。初めて自転車を練習するときに公道と家の間でした。玄関から見て右手に自動車二台がガレージにすっぽり入った。左側の奥が居間で天井に風船が上がると父が机に乗ってもちょっと届かなかった。冬にはおなかをすかせたウサギが来た。裏庭に小川が流れていて、小さな橋がかかっていた。小川の向こうは目が届かずに危ないから一人で行ってはいけない所でブラックベリーだったかがとれた。これが家賃が月800ドルかからなかったというから今聞くと驚く。こっちの家は小さいが倍は値段がするんだぜと父が友人に言ったところ、じゃあ、こっちで二件買って一つ貸せばいいじゃないかと言ったそうな。尤もな気もする。今は、異文化との摩擦が怖くて海外で暮らすのには勇気がいるが、あの頃はそっち側の文化の人だったから。
話がそれた。冷暖房の集中管理設備が家の中央にあって、ここは故障するから止めてはいけないらしい。たしかに室内はすごしやすかった。子供部屋をでて右前によろい戸があり、管理設備はそのよろい戸の向こうにあった。そこに何が入っているのかが理解できなくて、幼い頃こういう夢を見た。
扉を開けると、急な崖になっている。恐る恐る下を覗くと、何百頭ものいのししの大群が谷を走っている。砂煙がすごい。ふと気がつくと横に護衛なのか大きないのししがいて唸っている。
安いエネルギーとその使い方はこのレベルから違うのだな。