知音

ピアノ弾きは音痴なほうであるという。楽器の中でも自分で音を合わせる人は正確らしい。ある親子で高名なバイオリニストの親のほうが言っていたことを思い起こす。

確かにその日の気分で音が変わる。子供は毎朝自分で(何も聞かずに)調律するのだが、その高さが微妙にずれる。本人は正しい音に合わせているつもりでも、調子が良いときには高めに、悪いときには低めになる。

せいぜい数セント*1程度のことなのだろうけれども変わるのか、と思った。

さて、初めにこれを聞いたときに、頭が速く回っていると相対的に高めにあわせるのだなと考えた。しかし、耳の構造を考えるとそれは理屈に合わない。耳から入った音は蝸牛のリンパ液の管で共鳴する箇所の有毛細胞(生物系の方へ。これでよかった?)がどこかで決まるから、それに関わらず刺激される場所は一緒である。
しかし、高く感じるということは波長が短く感じることだから、リンパ液中の音速が遅くなった、ということはリンパ液の濃度が薄くなったことになる。調子がいいとリンパ液の濃度が比重で0.5%ほど軽くなるのは考えにくい。しかし、この後で脳の中の回路が組み替えが起こることは考えにくいしなあ。
単純に、疲れていると高い音はきんきんするから、もっとも心地よい音が低めになるというのは考えやすいが。

まず、本当にそうなのかが知りたい。そこで卒論ネタに困っている社会心理学科のそこのあなた、音大とコラボレートして、これをまともに調べてみませんか。

*1:半音の100分の1