悪の華

さようなら! わたしたちのあまりに短かすぎた夏の日の輝きよ!

http://d.hatena.ne.jp/flappphys/20050731/p2
私もこれくらいしか知りません。秋の歌の冒頭ですね。
私の記憶では、

我等やがて闇の中に沈まん。
いざさらば!あまりにも短かりし我等が夏の眩しき光よ!

だった。
たしか、「狭き門」の中でアリサが引用するので知ったのだけれども。誰の訳だっただろう。(そうそう。そういえば、狭き門って、ジェロームが語り手でその従姉のアリサが主役格なのだけれども、冒頭 1/4 あたり読んだところで、俺はうめき声を上げて、冒頭から読み直すことを余儀なくされた。ジェロームって男なのね!結婚したいとか考えだすからマジで驚いたぜ。)

やがて沈まむ、冷ややかなる闇のさなかに。
さらばよさらば、束の間の夏の光の烈しさよ。

これが岩波文庫訳(鈴木信太郎氏訳)。

http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/litera/wwwfile.htm

やがて私たちは沈むだろう、冷やかな闇に。……
さらば、輝きよ、あまりに短かった夏の日々よ。

(南堂久史氏訳)(区体論の方)

CHANT D'AUTOMNE

Bientôt nous plongerons dans les froides ténèbres ;
Adieu, vive clarté de nos étés trop courts !

ボードレールの原文。

うむ、これでは引用の範囲を逸脱気味じゃ。比較検討をしよう。訳は全部、"よ"で終わってる、しかし、原文は "s" で終わっている(顔。
"Adieu" は別れの挨拶ですが、"Au revoir." が一時的な普通の別れで とわ の別れで "Adieu" を使うそうです。
誰だったか、フランス映画の印象的なシーンの話をしてくれました。女が男にすがり、"Au revoir?" と聞く。男一瞥して、一言 "Adieu!" 女崩れ落ち、男立ち去る。