丸山真男

丸山真男は確かに偉大だ。とある理由から、大したことないに決まっていると考えていたのだが、「自己内対話」をざっと読んで考えを改めた。

力や質量は力学の法則と不可分に関連しているが、速度・加速度は、物体の運動法則と無関係に存在する。物体の時々刻々の位置変化、つまり速度は、運動学的な量であって、力学的な量ではない。

(とりあえず、安全そうなところからつっかかってみると、)そこを分離することに意味があるのかよく分からない。自分の目を信用しすぎている気がする。物理学はある範囲の現象を説明する。そのために、その覆いを生成するだけの法則があればよいわけで、その生成元の選び方は(物理学からすれば)恣意的だ。その恣意的なものの部分集合をとって生成した理論を考えて速度概念がその中に入っている、と述べたところで何か起きるのだろうか。う〜ん。起きるのかもなあ。

しかし、世の中は実に不思議だ。たとえば、速度でいえば、時速15kmを超えたところで不連続に別の運動法則が支配する世界へ移るということがないのだろうか。