生物と無生物のあいだ

非常によい本だった。是非読んでおきたい。
大学教授になるころには、もともとあった科学への情熱を失う*1といったアカデミックの嫌らしさすら書いてある。
難点としては、研究者として彼が直接見たことしか書いていない。
ただ、いままでにそういう本がどれだけあったかを考えると多くなかったのではないだろうか。
今後、多くの研究者が自分が見たものをできるだけ忠実に書いた本がでてきて、それらを基礎文献とすることによって初めて大局的な話が書けるのだと思う。


それともう一点、物理屋の視点から生物学者だな、と思えたのがシュレディンガーの「生物は負のエントロピーを食べていきている」に関する部分。
物理的に理解すれば*2言及する理由がないほどあたりまえな記述であるのだが、

  • 「食物は一度吸収される前に分解される」
  • 「体の構成原子は常に入れ替わっている」

といったあたりが先の記述とコンフリクトしていると思うあたり*3物理学者ではないと感じた。

*1:ことが多い

*2:非平衡エントロピーをどう定義をどうするかなどの著しく難解な部分を除いて、ほぼ平衡な系が集まって準静的に動いていると認めてしまえば

*3:たしかこんなことを読んでいて思ったのだがなにぶん読んでメモしたのと膨らませているのが離れているから確信はない